ぴあの玉手箱

Mondo Piano Music Journal

歌曲に生きた作曲家の、ピアノ独奏曲には色数は少ないけど、管楽器が聞こえてくる曲がある。
歌曲に生きた作曲家だから、声楽と管楽器のブレス、風の音楽を聴いているように錯覚するのかもしれない。

シューベルトの音楽は交響曲は知られているが、室内楽と歌曲。器楽曲も殆どピアノに関する作品が占める。ピアノ協奏曲ぐらいは残していても可怪しくないのだけれども、多くの作曲家が愛好されているジャンルですっぽりと抜け落ちている。

作曲家フランツ・シューベルトは、生涯をウィーンの中で送った。ちょっと遠出ぐらいはしていそうだけど、父親と就職の旅をしたモーツァルトは生涯の3分の1が移動の馬車の中だったと言われている。革命が起こって故郷に戻れなかったショパンの悲しさはあっても、ブラームス、チャイコフスキー、メンデルスゾーン、シューマンと旅先で霊感を得たと紹介される曲はシューベルトの名曲紹介には出てこない。でも、『美しき水車小屋の娘』、『冬の旅』と言った連作歌曲集、生涯の作品の何処かに姿を現す『さすらい人』。遠くから届く風の音を感じて暮らしていたのだろう。

第49回 きらクラDONの答えは、シューベルト作曲「即興曲」作品90第4の冒頭

耳かきのような、アルペジオ。聞き覚えがあるぞ、いや、そのレベルではないしフレーズは先の方までずっと耳の奥で再生されている。曲名が出てこない、でも心地よくってこのままで良いっか。って投了しようと思いましたが、首を振ってまとわりついているフレーズを振り払ってじっくり推敲してみました。
エチュードのようだけどショパンじゃない。ベートーヴェンにも似てる。どうやらその辺にいる作曲家だな。
ピアノ名曲集みたいなCDで、意識することなく幼い頃から耳にしている曲だ。
そうだ、きらクラDON第49回の答えは、シューベルト作曲「即興曲」作品90第4の冒頭。
親しい曲なのに、ニックネームがあれば覚えてもらいやすいでしょうに、気の毒な曲ですね。

『4つの即興曲』としてまとめられたシューベルトの作品90と142は、その数字上は開きがあるけど同時期にほぼ完成している。作品142は4つの曲に強い関連性が感じられる。多様性があるのが作品90の4曲。リサイタルのプログラムにポンと一曲が投げ入れられていても、シューベルトの音楽だなぁと浸ることはあっても楽曲として受け止めていることはない。
10分ほどのほろ酔い加減が良くって、それ以上とどまると危ないこともあるような怖さがある。ニックネームがないのはシューベルトには、そうした特異性があるからじゃないかしら。『未完成』、『グレート』という名称も愛称というほどのネーミングには感じられない。

違いを聞き分けられるか


CD2枚組みに両方の『即興曲集』と『幻想曲』、『ポロネーズ』といった4手連弾曲を取り合わせている。アルトゥール・ユッセンとルーカス・ユッセンは、双子のように良く似ているけど3歳違い。ジャケット写真の右奥がお兄さんのルーカス。弟アルトゥールは今年17歳で、グラモフォンの最年少演奏家の記録を塗り替えた。シューベルトのピアノ音楽に一家言ある、マリア・ジョアオ・ピリスの指導を受けている。6年ほど前にNHKで放送されたピリスのマスター・クラスに参加していたので、覚えている顔でもあるでしょう。
シューベルト:即興曲集を試聴

ChopinMagazine

ローカルのケーブル放送局で音楽番組編成と、番組作成を担当。必要とあれば音響の確認に工事スタッフと一緒に店舗まわりもしました。その際、地域の音楽愛好家と交流。老舗レコードショップから通販サイトを手伝ってほしいと参加したのが WordPress サイト作りの足がかりとなりました。

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